先日、「ホームカウンセラーとして収入を生み出す3STEP講演会」に参加しました。
宝地図で有名な望月俊孝さんの会社のセミナーで、「ホームカウンセラー養成講座」の紹介セミナーでしたが、同社講師でカタリスト養成講座を開発した神戸正博さんから「傾聴」について伺えました。
とても良い内容だったので、気づきを含めてメモとして残します。
バックトラッキングに潜む危険性
傾聴とはスキルではない。
NLPのプラクティショナーコースで「バックトラッキング」を学びます。
相手の言葉を「そのまま繰り返す」だけで、相手との間にラポール(信頼関係)を築けるスキルです。
しかし、ただのスキルとして使ってしまった場合は思わぬ危険をはらむ可能性があるそうです。
それは、”本当は聞く気がない”状態でただバックトラッキングをしていると、潜在意識から醸し出される聞く気がない雰囲気が表に現れてしまうと。
「スキル」としてバックトラッキングを捉えた場合、心がなくてもできるテクニックに成り下がってしまいます。
結果として、信頼関係を築くことにはつながらなくなってしまうでしょう。
バックトラッキングができるから信頼関係を築ける、心を癒せるわけではないのです。
アドバイスは何も解決しない
「結果を出さなければいけない」という考えは変化を強要する
コーチやカウンセラーはいただいた料金分の結果を出そうと一生懸命セッションを行います。
クライアントの役に立とうと一生懸命がゆえに、セッションを進めても解決に至りそうにないとアドバイスをしてしまいがちです。
なんとかそのセッション内で結果を出そうとしてしまうのです。
しかし、無理なアドバイスはクライアントの気づきを奪ってしまいます。
NLPプロコーチのコースでも、アドバイスをすることはNGと教えられました。
私達がアドバイスをしようと思うと、そこにはもはや「傾聴」はなくなります。
クライアントが話している間、「どんなアドバイスをしたら変えられるか」を考えているからです。
そもそも、強要されて変われるクライアントであれば、とっくに変わっているはずなので、コーチやカウンセラーの所には訪れないでしょう。
コーチングは一度きりのものではなく長期的なクライアントとの関係で成り立ちます。
本セミナーのホームカウンセラーも結果を急がずに、長期的にセッションを行うようで、コーチングもカウンセリングも同じなんだなと思いました。
傾聴とは「愛ある態度」で寄り添うこと
では、「傾聴」とはスキルでなく何なのかというと、
傾聴とはあり方である。
と言っていました。
「愛ある態度」で目の前の人に寄り添うことが「傾聴」であると。
「愛ある態度」とは赤ちゃんに接する時のような態度。
よちよち歩きを始めたら、頑張って歩こうとしている姿をただ見守りますよね。
片言で話し始めたら、間違いを正さず、ただただ「うん、うん」と話し終わるまで聴きますよね。
愛情を持って、無用な手助けやアドバイスをせず、ただただ見守ったり聴いたりすることが「愛ある態度」です。
トラウマや問題行動は「愛の欠乏」から起こると言っていました。
この「愛ある態度」で寄り添ってあげることで、クライアントの「愛の欠乏」を満たすのが「傾聴」なのだと。
言葉を傾聴するのではなく、心を傾聴する
クライアントが抱える相談事、例えば恋愛や結婚、お金や人間関係の悩みなどは、木で表すと枝葉の部分だそうです。
しかし、本当にクライアントの悩みを解決するには、根っこにあたる部分を癒す必要があります。

私達が「傾聴」をする時、この枝葉から根っこまですべてを観る必要があります。
その意味で、言葉を傾聴するのではなく、心を傾聴することが本来求められていることです。
ありのままが素晴らしい
人は誰でも陰と陽を持っています。☯
クライアントは、特にカウンセリングの場合は陰の部分に焦点を当てている方が多いかと思います。
しかし、月が満月でも三日月でも、月という1つの球体であることに変わりがないように、私達も陰陽合わせて自分なのです。
光り輝いている部分だけが「ありのまま」なのではありません。
ネガティブな思考、消してしまいたい過去の記憶、コンプレックスなど影の部分も含めて「ありのまま」なのです。
たとえ、クライアントが新月の状態だったとしても、その人は完全な1人の人間なのです。
満月でなければいけないことはありません
何かが欠けているわけでもありません
ありのままが素晴らしい
ありのままで素晴らしい
再選択する力で抑圧から解放される
この世で最も知識も力量もなく何もできないのに、周りの大人を従わせる支配者、赤ちゃん。
赤ちゃんは「潜在意識=顕在意識」で生きています。
しかし、私達は成長するにつれて社会性が育まれてくると、「潜在意識≠顕在意識」になっていきます。
この社会性を成り立たせるには、いろいろと我慢(自己抑圧)をする必要があります。
人々の我慢の上に成り立っているのが社会ですね。
そしてこの我慢が過剰になると、逆に社会性を壊してしまうことがあります。
ただ、我慢をすると決めたのは誰かというと、他ならぬ自分自身です。
自分で選択したことなら、自分で再選択すれば良いのです。
もちろん、社会性と良いバランスを取る必要はありますが。
カウンセラーの仕事は、クライアント自身が問題を解決し、再選択する力をすでに持っているということを思い出してもらうことだとセミナーで定義されていました。
コーチングも、クライアント自身が答えを持っている前提に立ちますので、同じですね。
赤ちゃんは何度もつまづきながらも最終的には歩けるようになります。
「あー」とか「うー」とか、「ママ、パパ」など簡単な言葉から始めて、徐々に大人と会話ができるようになります。
相談に来るクライアントも、今何か悩んでいたり、できないことがあっても、自分でそれを解決する潜在的可能性をすでに持っています。
コーチやカウンセラーに求められるものは、クライアントの潜在的可能性を信じて、愛ある態度で心に寄り添う「傾聴」をすることです。
あらゆる角度からクライアントの心を観る。
枝葉だけでなく、根っこまですべて観る。
そして、愛ある態度で観たものをバックトラッキングする。
それが「傾聴」である、ということでした。
Today’s Quote !!
言葉の裏にある本当の意味を聴きとる。行動を聴きとる。左脳だけでなく右脳も使って、察し、読みとり、感じとるのである。
『7つの習慣』p.346-l.6