「なんで掃除しないの!」
「声が小さい!」
あなたは、夫婦間や子供に対して、会社などの部下や後輩に対して、
できなかったこと
を指摘することってありませんか?
しかも、指摘をすれどもすれども、相手は期待通りの行動をいつまでもとってくれない。
そんなことってありませんか?
先日、NLP-JAPANラーニング・センターの「NLP話し方・プレゼンテーション心理学講座」を受けてきました。
参考 NLP話し方・プレゼンテーション心理学講座NLP-JAPANラーニング・センター
その中で学んだ「LABの提案モデル」が、フィードバックを与える時に非常に有効だと感じたのでご紹介します。
指摘不要で相手の変容を促すLABの提案モデル
「LABの提案モデル」とは、シェリー・ローズ・シャーベイ氏が広めている、言葉を操り人々に影響を与えるLABプロファイルから来ています。
参考 LABプロファイル:言葉の魔術師になるためのトレーニングNLP-JAPAN ラーニング・センター
書籍で学んでみたいという方は、以下をどうぞ。
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さて、LABの提案モデルの要点としては、取ってしまった言動を注意するのではなく、取って欲しい具体的な行動を伝えましょうということです。
フィードバックを行う構成としては以下の通りです。
- 具体的な提案
- 利益のコメント
- ポジティブで簡単なコメント
では、一つずつ見ていきましょう。
伝えるべきは問題点の指摘ではなく具体的な提案
LABの提案モデルでは、相手にとって欲しい具体的な行動を伝えます。
私たちは他人の行動を注意する際、つい出来ていなかった点を指摘しがちです。
目の前にある不満を口に出すだけで済むので、考える必要もなく楽だからです。
しかし、指摘される側に立ってみましょう。
私たちが親や会社の上司から問題点を指摘されたとき、または指摘されると予想できた時、
嫌だな
とか、
やっちゃったな
とか、
はたまた
うるさいなぁ
と、ネガティブな気分や反省、または反発を感じたりしませんか?
問題点の指摘は相手に守りの姿勢を取らせてしまいます。
また、相手が素直に受け取ってくれたとしても、
この方法はダメなんだね。じゃあ、どうすれば?
となりがちです。
ダメなところは分かったけど、どうすれば良いのかは伝えていません。
育成を目的に「自分で考えなさい」と言ってしまうのも一つの方法ではあります。
しかし、相手に考えさせたからと言って、次に必ずしも私たちが満足する行動を相手がとってくれるかはわかりません。
であれば、私たちがとって欲しい行動を具体的に伝えた方が、期待値通りの結果になる可能性が高まります。
子どもは特にそうで、例えば「座らないで」と言われるより「立っていて」と言われた方が楽なんだそうです。
「〇〇はダメ!」だと、「じゃあ、△△はOKなのかな?」とか、具体的にダメと言われてないことを試してみたりします。
やって欲しくないことをすべて列挙するより、望ましい行動を伝える方がはるかに楽でしょう。
冒頭の例では以下のような感じで伝えるのが良いでしょう。
「なんで掃除しないの!」=>「朝一で掃除しよう!」
(いつ掃除するかを具体的に伝えている)
「声が小さい!」=>「これくらいのボリュームで話そう!」
(どれくらいの音量かを具体的に伝えている)
もちろん、望ましい行動を伝えても、すぐにはできなかったり、忘れてしまったりということもあります。
その場合でも、その都度具体的な行動を伝え続けましょう。
講座の中では、3回言ってダメだったら問題行動を指摘した方がいいと言っていました。
それが問題だということに気づいていない可能性もあるので。
最初にも書きましたが、問題点を指摘するのは楽です。
しかし、望ましい行動をとってもらうには具体的に考える必要がありますので、慣れないうちは難しく感じます。
ひとつのコツとしては、相手にフィードバックを与える時に
〇〇さんがもっと良くなるためには、、、
という接頭辞を使うと、指摘ではなく望ましい行動を挙げることが容易になります。
私たちがもっと良いフィードバックを与えるためには、望ましい行動を具体的に伝えるのが良いです。
得られること、回避できることを一緒に伝える
利益のコメントとは、望ましい行動をとることによって相手がどんなメリットを受け取れるのかを伝えます。
ここではLABプロファイルの「目的志向型」と「問題回避型」の影響言語を使います。
私はLABのトレーナーではないので、詳しいことはお伝え出来ません。
ご興味があれば前述のリンクを参照してください。
簡単に言うと
- 目的志向型:高い目標に向かうことがモチベーション
- 問題回避型:問題を回避することがモチベーション
になります。
(そのままですね。。)
相手のタイプに合わせた伝え方をすることで、相手に行動をより起こさせられるようになります。
LABプロファイルではプロファイリングと名がついているように、相手がどちらのタイプなのかを判断する簡単な方法があります。
ただ、相手のタイプがわからない場合に、いちいち判断するのも面倒ですので、ここは両方混ぜてしまいましょう。
例えば、子供に勉強してもらいたい時には以下のように使い分けることができます。
次のテストで良い点が取れる(目的志向)ように勉強しよう
次のテストで失敗しない(問題回避)ように勉強しよう
ただ、これだと単に言い直しただけと取られてしまいます。
実際にフィードバックを与える時は、得られることと避けられることの2つの例を伝えるのが良いでしょう。
目的志向型への語りかけと、問題回避型への語りかけの両方を入れることで、期待した行動を相手がとってくれやすくなりますし、相手が落ち込んだり反発されたりすることも避けられます。
「ほめる」「認める」「ねぎらう」が最後のレシピ
最後にポジティブで簡単なコメントを伝えましょう。
良かったところを褒めてあげましょう。
チャレンジしたことを認めてあげましょう。
今はできていなくても、頑張ったことをねぎらってあげましょう。
「ほめる」「認める」「ねぎらう」が相手の自己重要感を満たす秘訣であり、相手の自己重要感を満たすことがコミュニケーションです。
慣れるまでは、意識しないとついつい指摘をしてしまいます。
最初は難しく感じるかもしれません、具体的なフィードバックの言葉がなかなか出てこないかもしれません。
でも、それは慣れていないだけです。
最初は努力が必要かもしれませんが、相手のことを想うその素敵な気持ちは必ず伝わりますよ。
LABの提案モデルである
- 具体的な提案
- 利益のコメント
- ポジティブで簡単なコメント
が、相手にとって欲しい行動を促す良い手順となります。
どうしてあの人は言ってもわかってくれないのか、
どうしてあの人は何度も同じことを繰り返すのだろう
と思うことがあったら、是非こちらを試してみてください。
最後にまとめると、
私たちがもっと良いフィードバックを与えるためには、望ましい行動を具体的に伝えると良いです。
期待した行動を相手がとってくれやすくなりますし、相手が落ち込んだり反発されたりすることも避けられます。
最初は努力が必要かもしれませんが、相手のことを想うその素敵な気持ちは必ず伝わりますよ。
Today’s Quote !!
最初に期待を明確にすれば、預け入れになる。これができるようになるまでには時間と労力がかかる。しかし、長い目で見れば時間も労力も大幅に節約できる。
『7つの習慣』p.269-l.16