皆さん、事実って何だと思いますか?
前に、会社である人の昇進がネガティブな話題となりました。
よくありがちな「なんであいつが!?」的なものです。
自分はあまり気にしていなかったのでなんで、そんなに騒ぎ立てるのかな?と思っていました。
Hiro
くらいに。
ところが、後日ワイワイしていた人と食事をした時に、昇進前にその人との間でネガティブな印象を受けることがあったということがわかりました。
話を聴くと確かに騒ぎたくもなるよねという共感に至りました。
自分と彼との間に持っている情報の違いがあったことで、出来事から受ける印象が変わっていたのです。
知らないことはその人にとって事実ではない
事実って実は人それぞれなんじゃないかと最近思います。
歴史ですら、国家ぐるみで違う歴史を教えていれば、それぞれの国民の間で過去の事実は変わってしまうでしょう。(正確には事実に対する認識でしょうか)
自分の持っている情報の積み上げと、それに対する認識の仕方、捉え方、考え方でさまざまな事実が創り上げられていくと思います。
知らないことはそもそも認識できません。それが想像の産物でも物理的なモノでもです。
つまり、知らないことは、そもそも事実として存在しないのと同じではないかと。
まずデータを集めよう
自分の経験したことしか手元になければ、データ不足であることは明らかである。
『7つの習慣』p.408-l.8
書籍『7つの習慣』では「データ」という言葉がいくつか出てきます。
最初読んだ時にはデータの意味があまりピンと来ませんでした。
しかし今、このデータの有無が認識できる事実の差なのかと考えたときに
p.330にある「もっとデータを集めましょう」という問いかけも納得できるようになりました。
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」には「共感による傾聴」というスキルがでてきます。
相手と自分の間にある事実の差を埋めるためには、まず相手の中にある事実を知り、理解する必要があります。
相手と共通の認識が持てて初めて、ひとつの事実を共有し創り上げていくことができます。
なので、まずデータを集めることから始めなければなりません。
知識と経験を増やせるチャンスでもある
データを集めていると、もちろん既に知っていることもありますが、知らないこと、いわゆる新事実を得ることにもなります。
新事実とは自分が持っていない知識や経験から創り上げられた事実であるので、今までの自分の枠を広げるチャンスになります。
自分で見聞きするのはとても時間がかかります。
本を読んだり、他人に教えを請うたり、経験談を聴くことは、それだけで人生を豊かにしてくれることでしょう。
もちろん情報の選別は必要
とは言っても、なんでもかんでも集めて受け入れれば良いというわけでもありません。
情報の質は大事です。
自分で見聞きできないモノは、できるだけ1次資料にあたるのが良いでしょう。
2次、3次と誰かの解釈が間に挟まれば挟まるほど、解釈した人にとっての事実へと変わってしまうからです。なので、情報の出どころには気を付ける必要があります。
また、1次資料を参照できたとしても、データがその範囲に限られてしまっています。それに1次資料といえども多少の誤解は生じている可能性は否定できません。できるだけ多角的な複数の視点からのデータを集めることが大事です。
また、自分がどう解釈するかも重要になります。
判断するに足るデータが集まっているのかは常に気にかけておく必要があります。
時には少ないデータで判断をしなければならないでしょう。その場合でもこれまでの知識や経験が正しい判断へ結びつくかの鍵になります。
そういう意味でも、常日頃からデータを集めておくことが大事になります。
共感による傾聴はあなたが今すぐできる努力である
データを集めることに、あまり真剣になりすぎる必要はありません。
例えば30分会議室を押さえて、話す内容の段取りを決めてとか、大げさに行う必要はありません。
伊藤守氏著の『3分間コーチ』には、
- 部下について考える時間をとる
- 部下と的を絞った短い会話をするための時間をとる
を繰り返すことで、極々短い時間でも部下を知り、マネジメントできると書かれてあります。
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相手を理解する努力なら、いつでもできる。これならば、あなたの力でどうにかできる。
『7つの習慣』p.375-l.7
ほんのちょっとの時間を使って、常日頃からデータを集めてみましょう。
皆さんが今認識している事実は、はたして本当の事実でしょうか?
という問いを一度してみてください。
意見の食い違う人が周りにおり、人間関係に困っているとしたら、きっとお互いに認識できている事実が異なっているのではないかと思います。
一度お互いにデータを集めてみて、共有できる事実を一緒に創り上げてみてはいかがでしょうか。
きっと新しい世界が創れると思います。
Today’s Quote !!
共感による傾聴の大きな強みは、正確なデータを得られることである。
『7つの習慣』p.346-l.8